「人に優しい会議が、人に優しい社会を創る」日本型デモクラシーの創出 ~20年・1,200回の現場から、34の「当たり前」を「新しい価値」へ~
=人に優しい会議が、人に優しい社会を創る= *MFA(会議ファシリテーター普及協会)のこの理念のもとに実践してきた。 1.あらゆる企画・事業に「対話の場」を付加し、デモクラシーのインフラを創る 既存の企画・事業に、小さな「対話の場」を付け加えていく。私たちはこれを「対話の場付加型事業」と呼んでいます。 デモクラシーのために、必ずしも新しい事業を始める必要はありません。地域には、農業、福祉、教育、防災、男女共同参画、地域計画、議会活動など、すでにさまざまな企画や事業があります。 その既存の企画・事業に、日本型ファシリテーションを活用した小さな「対話の場」を付け加える。それだけでも、一部の人だけで進める事業から、みんなが語り、みんなで考える事業へと変えていくことができます。 “あらゆる企画・事業に「対話の場」を”という発想は、まさに「インフラ」という考えにつながります。MFAの実践は、さまざまな分野のデモクラシーの実践を、「対話の場」という土台から支えるインフラと考えています。 「対話の場を、特別なイベントから社会のインフラへ!」 「普通の人が発言でき、普通の人が参加できるまちづくり」 「みんなが語り、みんなで納得し、みんなで実践する」 これこそ、私たちが20年間目指してきた「人に優しい会議が、人に優しい社会を創る」という理念を、地域の中で形にしていく姿です。 地域の日常の中に対話があり、普通の人が参加し、みんなで語り、みんなで未来を創っていく。 私たちは、その姿こそ、日本の地域社会の現場から生まれた「日本型デモクラシー」だと考えています。 「みんなが語り、みんなで納得し、みんなで実践する」デモクラシーへ(^^)/ by 会議ファシリテーター普及協会 2.20年・1,200回という膨大な現場での実践 MFAの創出した方法は、机上で考えた理論ではありません。私たちが約20年間、全国各地で約1,000回の研修と約1,200回(市民ファシリテーター開催分も含む)の対話の場を実践してきた経験から創られたものです。この膨大な実践はなによりも大きな力となっています。そのため、「当たり前」と言われてきたものの違和感を肌で感じながらスキルを練り上げてきました。 *「1200回の現場」の詳細は別途添付の「詳しい説明」の「実績」のところを参照ください。 3.市民ファシリテーターの活躍 さらに重要なのは、約1,200回の対話の場の実践のうち約900回が、専門家(代表・副代表)ではなく、研修を受けた普通の市民である「市民ファシリテーター」によって行われてきたことです。 そして、今では、育った市民ファシリテーターが、次の市民ファシリテーターを育てる地域も生まれています。この広がりこそ、MFAのノウハウが現場で活用できることの証明だといえます。 4.「修羅場を創らない」ファシリテーション 私たちは、話し合いで対立が起きてから収めるのではなく、「対立」しないためのスキルを構築してきました。そして、それを突き詰めて到達したのが「修羅場を創らないファシリテーション」です。 全国の自治体職員は、市民との対話の場で話し合いが紛糾したり、感情的な対立が起きたりすることに困っています。しかし、そこに対応するスキルはほとんどありません。MFAの日本型ファシリテーションは、まさにここに真向から挑んだスキルとなっています。
どんな課題にアプローチしましたか?
<MFAの原点> =人に優しい会議が、人に優しい社会を創る= 「何でこうなんだ?」 20年前、まちづくりの会合に参加したときに抱いた違和感がすべての始まりでした。 人に優しいまちをつくろうという会合なのに、そこで行われていた話し合いは、参加している人にまったく「優しくない」。 参加者に優しくできなくて、人に優しいまちを創ることができるのか? その疑問が、私たちの原点です。 それから20年。 会議ファシリテーター普及協会(以下、MFA)として、「対話の場」を現場で積み重ねながら、 “普通の人が発言でき、普通の人が参加できるまちづくり” を実現するための方法を探り続けてきました。 約20年間、自治体でのファシリテーション研修や地域の「対話の場」に携わってきた経験から、現在の話し合いやまちづくりの現場には、大きく次の4つの課題があると考えています。 1.「対立を収める」ファシリテーションになっている 一般的なファシリテーションでは、対立が生じた後にそれを整理し、合意形成につなげる方法も多く見られます。しかし、それは高度な技術であり、一般の人が日常的に扱うには難しいという課題があります。 その結果、地域の話し合いでも「専門家が進行しないと難しい」という構造が生まれてしまい、「対話の場」が広がりにくくなっています。 2.「一部の人しか話さない場」になっている 地域の話し合いでは「市民参加」と言いながら、実際にはいつも同じ人だけが発言し、多くの参加者は黙って聞いていることが少なくありません。 従来のファシリテーションでも、「発言力の弱い人が本当に安心して自分の思いを話せる場」をつくることには、十分に対応しきれない場合があります。 3.まちづくりが「課題解決型」で重くなっている 日本では「まちづくり=地域の課題解決」という考え方が広く浸透しています。しかし、最初から重い課題解決ばかりを求められると、話し合いが難しく、一部の熱心な人だけが担うものになりがちです。 一般の人が参加しづらく、まちづくりそのものが重く・堅苦しいものになっている原因の一つはここにあります。 4.「みんなが語り、みんなで納得し、みんなで実践する」デモクラシーが日常に根づいていない 日本には、選挙や議会など、制度としての民主主義はある程度整っています。しかし、地域の日常に目を向けると、行政や一部の人が企画を考え、住民は説明を聞いたり、出来上がった事業に参加したりするだけという場面も少なくありません。 私たちが考えるデモクラシーとは、地域に暮らす普通の人たちが『みんなで語り、みんなで納得し、みんなで実践する』ことです。このような状況に日本中がなるように挑戦してきました。 <補足:言葉の定義> ■MFA:MFAとは「会議ファシリテーター普及協会」の略称です。 ■対話:MFAでは、混同されがちな「対話」という言葉を明確に使い分けています。 「対話」には次の2つの意味があります。 •1対1の場合:1対1で話をする(おもに会話のようなもの) •複数の場合:複数で話をする(会議や座談会のような話し合いのこと) MFAでは「対話サロン」とか「サロン」と呼んでいます。 ■日本型ファシリテーション: MFAがオリジナルで創り上げた、日本の地域社会の話し合いの現場に合ったファシリテーションのことです。「日本型ファシリテーション」の名称は商標登録をしています。 地域には、自分から積極的に発言する人ばかりではありません。日本型ファシリテーションは、そうした「普通の人」が、普通のままで参加できることを大切にしています。
どのような新たな価値を創造しましたか?
私たちは、従来の「ファシリテーション」「まちづくり」において常識を覆し、日本の地域社会の現場に寄り添った独自のスキルを確立し、「ファシリテーション」「まちづくり」で「34の当たり前」に「新しい価値」を生み出しました。それらを「10の価値」に整理すると次のようになります。 *「34の当たり前」の全体は、別途添付の「詳しい説明1」を参照ください。 1.日本人に寄り添う「日本型ファシリテーション」の5つの価値 日本の地域の話し合いでは、積極的に発言する人ばかりではありません。また、人間関係への配慮から、自分と違う意見を率直に言いにくい場面もあります。私たちは、こうした日本の地域社会の現場の体験から、以下の5つの新しい価値を構築してきました。 (1)「対立を起こさない」価値 意見の違い(多様性)は歓迎した上で、それが「人と人との感情的な対立」にならないようにするスキルです。 これを『違いを対立にしない6つの魔法』としてまとめました。 *詳しくは、別途添付の「詳しい説明2」を参照ください。 (2)「全員発言できる」価値 「発言しやすくする」のではなく、「発言力の弱い人も全員発言できる」よう、「話術ではなく物と仕掛け」のスキルを確立しました。 これを『全員が発言できる7の極意』としてまとめました。 *詳しくは、別途添付の「詳しい説明3」を参照ください。 (3)「誰でも使える」価値 専門家の高度な技術から「話術ではなく物と仕掛け」という考え方で「一般の人が日常的に使えるシンプルなスキル」に変えたことで、市民自ら対話の場を進行する「市民ファシリテーター」の養成を可能にしました。 (4)「修羅場を創らない」価値 「対立を起こさない」スキルを追究し、現在は「修羅場を創らない」スキルにまでブラッシュしてきました。怒りや非難が渦巻く「修羅場」は、個人の問題というより「やり方のまずさ」が創り出しています。例えば、既存の説明会を「対話型説明会」に変えるだけで、修羅場になりにくくなります。 *詳しくは私の著書『修羅場を創らない説明会の極意』Amazonにまとめてあります。 (5)「合意形成の4段階」という価値 『合意は話し合いの中身ではなく、納得できるプロセス(やり方)で合意する』という“常識破りの考え方”を『魔法の合意形成4ステップ』としてモデル化しました。これは、MFAが約1,200回の現場実践からたどり着いた、独自の合意形成の考え方です。 *詳しくは、別途添付の「詳しい説明4」を参照ください。 2.参加のハードルを下げる「まちづくり」の4つの価値 地域活動や政治への参加に心理的なハードルを感じる人のために、まちづくりのハードルを下げる4つの価値を創出しました。 (1)「夢実現型」の価値 「まちづくりは課題解決をすること」という考えからの脱却です。最初から重い「課題解決」を突きつけるのではなく、地域の未来への夢をワクワクしながら語り合うことで、一般住民が自然に参加しやすくなる価値です。 (2)「対話の場付加型」の価値 イベントや事業を単発で終わらせず、何かをやる時に「小さな対話の場」を付加する(実施する)価値です。これにより、地域に対話の文化が定着し、対話の場の基盤が作られます。 (3)「遊び心」という価値 楽しさといった遊び心こそが、負担感を取り除き、一般の人々を巻き込んで地域の参加文化を変える原動力になります。 (4)「対話によるまちづくりの6段階」の価値 まちづくりにおいて「課題解決」に挑む前に、取り組み“やすい”ことから順番に取り組んでいくことがコツです。それをスキル化したのが『対話によるまちづくり6段階』といいます。これは、まちづくりの順番を汎用的にまとめたものです。 *詳しくは、別途添付の「詳しい説明5」を参照ください。
どんな工夫をしましたか?
工夫とは、34の「当たり前」を変え、新たに生み出した「新しい価値」を実践していくための「スキル」のことです。 新たに生み出したスキルのうち基本となるのが「魔法の合意形成4ステップ」と「対話によるまちづくりの6段階」の2つです。 この2つが「新しいファシリテーションの考え方」「新しいまちづくりの考え方」をスキルにしたものといえます。 *詳しくは別途添付の「詳しい説明」を参照ください。 1.「魔法の合意形成4ステップ」・・対話の場の基本となるスキル 日本型ファシリテーションの極意は、『合意は「話し合い」でするのではなく、話し合いの「やり方(プロセス)」で合意する』という独自の考え方(やり方による合意)です。それが「魔法の合意形成4ステップ」です。 ■1段階:明るく前向きな雰囲気を創る(物と仕掛け) ■2段階:全員が発言する(付箋の使い方の工夫) ■3段階:意見の整理を自分たちでやる(じゃんけんで進行係を決める) ■4段階:客観的投票で決める(投票の黄金ルール・ランキング表) *詳しくは、別途添付の「詳しい説明4」を参照ください。 2.「対話によるまちづくりの6段階」・・まちづくりの基本となるスキル 対話によるまちづくりをどの順番でやっていくとよいかを具体的に示したまちづくりの指針です。 ■レベル6:地域の課題を解決する (課題解決型まちづくり) ■レベル5:地域のいいところを活用したまちづくり (夢実現型まちづくり) ■レベル4:市町村の施策(基本計画や条例)の意見を出し合う ■レベル3:イベントや祭りなどのアイディアを出し合う ■レベル2:地域の人が語り合う対話のインフラを創る *対話の場を自分たちで開催できるようになる ■レベル1:まちづくりのためのスキルを学ぶ *詳しくは、別途添付の「詳しい説明5」を参照ください そして、この2つ以外では次のようなスキルがあります。 3.ファシリテーションは「話術」ではなく、「物と仕掛け」 「私は口下手だからファシリテーターには向いていないの」という人がたくさんいます。しかし、日本型ファシリテーションのスキルは「話術」はいりません。そのスキルは「物と仕掛け」でできているからです。雰囲気作りでさえ「物と仕掛け」でやれるようになっています。「物と仕掛け」のスキルだからこそ、多くの「市民ファシリテーター」を養成することができるのです。 4.合意の「腹八分目ルール」 (1)反対者がいても合意である (2)「仕方ないね」は最高の合意だ 5.結論の「“そこそこ”で決めちゃうルール」 (1)結論は、そこそこのレベル(70%)の結論でいい (2)時間内にでた結論が結論 6.時間を守る「絶叫!急いでください!」 時間を守るための究極の方法が「急がせること」です。既存の「話し合いを急がせてはいけない」という考えが時間を守らない原因の1つでした。ファシリテーターは時間がなくなってきたら急がせる!そうすることで時間が守られるようになります。 そして、私たちの実践では、時間をかけて出た結論も、急いで話し合って出た結論も、大きく変わらないことが少なくないということです。 7.「違いを対立にしない6つの魔法」 対立が起きにくくなるスキルです。 (1)口で話すと感情的になりやすい (2)論理的に話し合うと喧嘩になりやすい (3)「意見」でなく「思い」をベースに話し合う (4)思っていることが言えないとイラつく (5)付箋に書かれたものを見ながら話し合うようにするといい (6)雰囲気が明るいと、不平不満がでにくくなる *詳しくは、別途添付の「詳しい説明2」を参照ください。 8.全員発言の「とにかく書こう作戦」 全員が発言できるようになるスキルを「全員発言できる7つの極意」としてまとめました。 (1)明るい雰囲気が土台 (2)小さなグループにする (3)いきなり話さず、まず付箋に書く (4)「意見」ではなく「思い」を書く (5)質より量で、たくさん書く (6)根拠・責任・実現可能性を最初から求めない (7)実現可能性をもとめない *詳しくは、別途添付の「詳しい説明3」を参照ください。 9.客観的投票の「自分はダメダメ投票」 「魔法の合意形成4ステップ」の4段階の最後にやるのが、不満が生まれにくい「自分はダメダメ投票」です。 多数決は「結論は出るが合意されない」ことが多く、落ちた人が不満を持つことが多々あります。私たちは、多数決を“最後の喧嘩”と呼んでいます。そこでMFAが生み出した「不満が残りにくい結論の出し方」が「客観的投票=自分はダメダメ投票」です。 *詳しくは、別途添付の「詳しい説明6」を参照ください