自薦
静岡市議会議員 田中志保(個人)
田中志保| 2026年8月16日
#不登校#学びの保障#市民参加#現場と議会を繋ぐ#静岡市

「校長先生次第」を変える。子ども・保護者にもわかる!不登校の学びを支える「出席扱いガイドライン」

自薦
← アイディア一覧へ戻る
イチオシポイント

一番のイチオシポイントは、一人の保護者として感じていた「制度はあるのに、なぜ使えるかどうかが学校によって違うのか?」というモヤモヤを、個人の困りごとで終わらせず、議会を通じて「みんなのための仕組み」に変えることができたことです。 私の子どもの一人は不登校で、オンラインで学習を続けていたにもかかわらず、「指導要録上の出席扱い」を校長に認めてもらえず、子どもの努力を学校が認めなかったことに私は強い憤りを感じたのです。 また、長年ひとり親支援団体を運営する中でも、不登校は保護者から寄せられる悩みの一つでした。そして、不登校児童生徒の保護者や支援者とも日頃から連携し、さまざまな当事者の声や、支援の現場で感じている課題にも触れてきました。 そうした自分自身の経験や当事者・支援者の声をもとに、議員になって初めての一般質問でこの問題を取り上げ、学校ごとの運用の差を小さくし、子どもや保護者にもわかりやすいガイドラインの整備を提案しました。その後、静岡市教育委員会が実際に「指導要録上の出席扱い」に関するガイドラインを策定。この取り組みは静岡新聞でも大きく取り上げられました。 さらに、ガイドラインが「できた」で終わりにはしませんでした。策定後も、親の会や支援者と連携しながら現場の声を聞き、改めて議会で取り上げました。「出席扱い」にすること自体がゴールではなく、学校外での多様な学びを正当に評価し、子どもの学びの機会を保障することが大切ではないかと問いかけました。 暮らしや支援の現場にある小さな「おかしい」「わかりにくい」という声を拾い、当事者や支援者とつながりながら議会へ届け、行政の仕組みを変えていく。市民の声と議会、行政をつなぐことで、一人の困りごとをみんなのための仕組みに変えられたことが、この取り組みのイチオシポイントです。

どんな課題にアプローチしましたか?

不登校の子どもの中には、「学校には通えないけれど、オンライン学習なら参加したい」という希望をもつ子どもたちがいます。 教育機会確保法では、学校復帰を前提としない多様な学びを尊重する理念が示され、文部科学省の通知でも、ICTを活用した在宅学習は一定の要件を満たせば「指導要録上の出席扱い」にできるとされています。 一方、実際の判断は各学校長に委ねられており、学校ごとに基準や運用が異なるという課題がありました。同じように学んでいても、通う学校によって判断が異なる可能性があり、制度の透明性や公平性に欠けるだけでなく、「自分の学びは出席として認められるのか」が子どもや保護者にとってわかりにくく、不安につながりかねない状況でした。

どのような新たな価値を創造しましたか?

これまで各学校長の判断に委ねられていた「指導要録上の出席扱い」について、市としてガイドラインが整備され、学校・子ども・保護者にとって「どのような学びが出席扱いとなるのか」という判断基準がわかりやすくなりました。 学校ごとに運用が異なり得る状況から、市として一定の考え方を共有する仕組みへと変わったことで、制度の透明性・公平性が高まりました。 また、「学校に通う」ことだけではなく、ICTを活用した在宅学習など、多様な学び方を制度の中で認め、子どもの学びを保障していくための一歩になったと考えています。

どんな工夫をしましたか?

自身も不登校の子どもの保護者として、子どもがオンラインで学習していても「指導要録上の出席扱い」と認められなかった経験があります。制度はあるのに、判断は各学校長に委ねられ、その基準やプロセスが子どもや保護者からは見えにくい。せっかく制度があっても、どのような場合に認められるのかがわからないことに、不透明さとモヤモヤを感じていました。 また、不登校児の保護者の会などで当事者の声を聞く中で、「指導要録上の出席扱い」という制度そのものを、「子どもが学校の価値基準に合わせなければならない仕組み」と受け止めている保護者がいることにも気づきました。 そこで、自身の経験だけで問題を捉えるのではなく、保護者の声、教育機会確保法や文部科学省の通知、実際の制度運用を照らし合わせながら課題を整理しました。そのうえで、単に「不登校支援の充実」を求めるのではなく、学校間の運用の差を小さくし、子ども・保護者・学校のいずれにもわかりやすいガイドラインという具体的な仕組みを議会で提案しました。 さらにガイドライン策定後も、「出席扱いにすること」が目的化しないよう、制度の本来の目的は、学校外での多様な学びを正当に評価し、子どもの学びの機会を保障することではないかと、改めて議会で問いかけました。

上部へスクロール