デジタルでつながる住みよいまちの未来へ 協働による町内会・自治会DX「町田モデル」を構築!
自薦【効率化だけではないあたたかな人と人とのつながりの創出】 本取組のポイントは、LINEオープンチャットや補助金申請のオンライン化などを進める一方で、対面での情報交換会の開催や丁寧な活用ガイドの作成・配布など、「伴走型支援」に注力している点です。 高齢の役員の方が「これなら自分にもチャレンジできる」と前向きに語り、実際に加入世帯数が増加した町内会も現れるなど、役員負担を軽減するだけでなく、デジタル技術が「人のつながり」を強化する結果を生んでいます。 【全国的な再現性と波及への期待】 町内会・自治会の加入率減少や役員負担の増加は町田市だけでなく全国的な課題です。町田市ではこの全国的な課題の解決に向け、LINEオープンチャットを活用して、市・市連合会・地区連合会・単位町内会を階層的につなぎ、資料の即時共有とデータ蓄積の仕組みづくりに取り組みました。(事業者からは全国的に珍しい事例と伺っています) 高価なシステムや独自システムの開発などを必要とせず、LINE等の汎用ツールを組み合わせた本取組は、手間なくコストを抑えつつ全国どの自治体でも再現することが可能です。既に複数の自治体からも問い合わせをいただくなど注目されており、今後の可能性を証明しています。
どんな課題にアプローチしましたか?
【町内会・自治会の加入率減少や役員の高齢化・負担増という全国的な課題の解決に向けた町内会・自治会DX】 法政大学と町田市が取り組んだ「町田市における地域コミュニティの未来に関する共同研究」の最終報告書においても、社会構造やライフスタイルの変化に伴い、町内会・自治会の加入率や活動への参加意向の低下、会長や一部役員への負担偏在などが課題として明示されています。 実際に、「紙資料の印刷・配布」や「平日の市役所来庁」といったアナログな慣習は、現役世代の地域参画を阻む障壁にもなっています。 あわせて、地域力の低下がみられる一方、研究の過程で行った市民アンケートの結果から、市民の地域への愛着や定住意向の上昇や「地域のために協力したい」と考える市民が多数潜在していることも明らかになっています。 このような現状と課題から、今後の施策の方向性一つとして「町内会・自治会等への支援強化」が記載されており、デジタル化による効率化や負担軽減という課題解決に向け、本取組に着手しました。
どのような新たな価値を創造しましたか?
【町内会・自治会DX「町田モデル」の3つの伴走型支援】 1 市の連合会と地区連合会の情報共有の仕組みづくり(2025年12月~) 住民に最も普及しているLINE(オープンチャット)を活用し、「市」・連合会長や各地区長が参加する「市連合会」・地区内の会長が参加する「地区連合会」・「単位町内会」を階層的につなぐことで、資料の即時共有とデータ蓄積を可能にしました。 これにより会議資料の準備時間を従来の2~3時間から1分程度へ短縮することができました。(90%以上の削減) 2 補助金手続きのオンライン化(2026年4月~) 「町内会・自治会等活動届」や「補助金等交付申請書」の提出・申請にあたって、Graffer(グラファー)によるオンライン申請を開始し、複雑な「活動届」や「補助金交付申請」をオンライン化しました。初年度から307団体中75団体が利用し、メールで申請を行った23団体を含めると、約3割の団体がデジタルに移行しました。「役員の来庁負担ゼロ」を実現し、誰でも活動しやすい環境を整えました。 3 産学公連携 事業者や大学と連携し、ツールの導入に留まらず、外部知見を積極的に取り入れました。 ① AI研修会(2026年2月) 町田市町内会・自治会連合会において初めて、市のデジタル戦略室がAI研修を実施しました。デジタルが地域をよくする期待感につながる研修となりました。 ② 26市町内会担当職員交流会×LINEヤフー株式会社(2026年2月) 市とLINEヤフーとの協働で「町内会のデジタル化」をテーマに自治体職員交流会を開催しました。LINEヤフーが作成した「AI頑固自治会長」にデジタル化を説得するゲームを実施する等ユニークな手法で各自治体の情報交換を実施しました。多摩26市のみならず、23区や都外の自治体も参加し、事業者の知見を広域へ発信・波及しました。 ③ LINE活用説明会(2026年4月) 市とLINEヤフーとの協働で町内会向けにLINEの各ツールの概要説明等を実施。募集定員を大幅に上回る町内会役員115名が参加しました。加入世帯数増加などポジティブな変化が起きている町内会もでてきました。 ④ 東京工科大学×地区連合会(2026年4月~7月) 東京工科大学と高ヶ坂・成瀬地区町内会連合会、市で協働。学生が現場に入り、若い感性と専門知識を活かし、集会施設の貸出管理など現場の負担を軽減する仕組み(ツール)を提案。一部は実装予定となるなど学生の地域運営参画を実践しました。 ⑤ 町内会・自治会役員情報交換会(2026年7月) 市の連合会と市が連携して、「町内会のデジタル化」をテーマに先進事例の発表や役員同士の情報交換を実施しました。ツールの利便性を体感できる内容とし、高齢層の多い役員の方々の行動変容につなげました。 ⑥ LINE活用ガイド作成・配布(2026年8月) LINEの各ツールの導入方法や町内会での先進的な事例等を記載した冊子を町内会に配布しました。
どんな工夫をしましたか?
【伴走型支援】 町内会の取り組みは、民間企業や官公庁と異なり、総会や役員会での協議や会員への周知に時間がかかり、意思決定から実際に実行するまで1年近くかかることもあります。とりわけ、新しいシステムやアプリを導入した場合、会員が操作方法等を習熟し、システムやアプリを使いこなすのには多くの時間を要します。加えて、町内会・自治会のデジタルに関して「難しそう」という心理的な先入観もあることから、町内会の皆さんの不安に寄り添い、市の町内会・自治会連合会とともにデジタル化をテーマとした役員情報交換会を開催したほか、LINE活用ガイドを作成して配布するなど、町内会の皆さんの不安を一つ一つ取り除き行う伴走型支援を心がけました。 【産学公連携】 市が事業者や大学などとの調整を主導し、専門人材との協働による多様なデジタル化支援の実現に向け奔走しました。