あきがわ流域マチづくりダイアローグ
他薦市民参加のために行政が設置した審議会や意見募集ではなく、地域側から始まった対話の場を継続し、その対象を一つの自治体から流域へ広げてきた取り組みである。 参加者を住民だけに限定せず、地域の事業者、自治体関係者、首長など異なる立場の人が参加している。首長から住民への説明会という形式にも限定せず、小規模なグループで参加者同士が話す時間を設けている。 また、政治的な混乱を契機として始まった活動でありながら、特定の候補者や政策への賛否をまとめる活動ではなく、異なる意見を持つ人同士が地域について話す場として継続している。 2026年には第11回に達し、選挙を目前に控えた時期にも政治や選挙そのものを対話のテーマとして扱った。 市町村という行政区域や、住民、事業者、行政、政治家といった立場ごとに地域の課題を分けるのではなく、秋川流域という共通する地域を単位として、異なる立場の人が継続的に対話する場を形成している点に、この取り組みの特徴がある。
どんな課題にアプローチしましたか?
あきがわ流域マチづくりダイアローグは、東京都あきる野市を中心に、地域の住民、事業者、行政関係者などが地域の課題や将来について対話する場として継続されている。 活動の契機となったのは、2022年のあきる野市における市長の失職と市長選挙である。政治をめぐって異なる情報や意見が行き交う状況の中、市民同士が立場を越えて話すことのできる場をつくることから活動が始まった。 取り組みでは、特定の政策について賛否を決めたり、行政に対する要望を集約したりすることを主な目的としていない。異なる立場や考えを持つ参加者が、地域について話し、互いの考えを聞く機会を設けている。 その後、対象とする地域はあきる野市だけでなく、同じ秋川流域に位置する日の出町、檜原村へと広がった。2023年に開催された第4回では、あきる野市、日の出町、檜原村の3市町村長をはじめ、市民、事業者、自治体関係者など約80人が参加した。
どのような新たな価値を創造しましたか?
取り組みは単発のイベントではなく、2026年まで継続されている。 2026年6月21日には第11回を開催した。テーマは「カラフルな政治と選挙の話をしよう~誰でも話せる街づくり~」であり、同年7月に予定されていたあきる野市長選挙・市議会議員選挙を前に、政治や選挙について地域の人が話す機会を設けた。子ども連れでも参加できるようキッズコーナーも用意された。 選挙に関する取り組みを候補者から有権者への情報提供だけに限定せず、地域の人同士が政治や地域について話す機会として設定している。 また、活動開始時にはあきる野市を中心としていた対話の対象を、秋川という自然・生活上のつながりを持つ流域へ拡大した。 行政計画、議会、予算などの多くは市町村を単位として運営される。一方、河川、森林、観光、交通、産業など、自治体の境界だけでは整理できない地域課題も存在する。 あきがわ流域マチづくりダイアローグでは、行政区域を唯一の単位とせず、同じ流域に暮らす人、活動する人、行政を担う人が自治体を越えて対話できる場を継続している。
どんな工夫をしましたか?
この取り組みでは、市町村の行政区域だけを地域の単位としていない。 秋川流域は、秋川、北秋川、養沢川などの河川とその周辺地域からなり、あきる野市、日の出町、檜原村にまたがっている。森林、河川、観光、産業などには自治体の境界を越えて関係する課題がある。 そこで、あきる野市内の課題について市民と行政が話すという形だけでなく、同じ流域に暮らし、活動する人たちが自治体を越えて参加できる場へと対象を広げた。 第4回では、3市町村長による話だけでなく、参加者が5人程度のグループに分かれて対話する時間が設けられた。地域の事業者による話題提供、参加者同士の対話、3市町村長による地域の将来についての発言、再度の参加者同士の対話という構成で実施された。 首長や行政関係者だけが説明し、市民が質問する形式に限定せず、住民、事業者、行政関係者などがそれぞれ地域について考える主体として参加する構成としている。 扱うテーマも固定していない。これまで、地域の将来、暮らし、環境、地域資源、政治、選挙など、その時点で地域に関係するテーマを設定して開催してきた。