自薦
静岡市議会議員 田中志保(個人)
田中志保| 2026年8月17日
#対話#市民参加#情報公開#議会

「議会から市民へ、市民から議会へ」―市民の声を市政につなぐエコシステム

自薦
← アイディア一覧へ戻る
イチオシポイント

イチオシポイントは、市政や議会を身近にするための活動を続ける中で、複数の20代女性から「議員になりたいと思っている」と声をかけてもらい、さらに、議員になることを具体的に考えるうえでの不安や疑問について、直接話せる場が生まれたことです。 実際に、「議員になったらセクハラはあるの?」「住所はすべて公開されるの?」など、立候補を現実的に考えているからこその質問を受けました。こうしたことは、議会の制度を調べるだけではなかなかわからず、特に若い女性にとっては、政治の世界に一歩踏み出す際の不安やハードルにもなり得ます。 議員は市民の代表です。だからこそ議会には、さまざまな世代、経験、考え方をもつ人が参画することが大切です。そして、新しい人が政治に参画し、次の担い手が生まれ続けることも、議会や民主主義にとって重要だと考えています。 市政報告会は、市政について「知る場」や、市民が議員に「声を届ける場」だけではなく、「自分も議員になれるかもしれない」と考えた人が、現職議員にリアルな疑問や不安を直接聞ける場にもなりました。 市民と議員との距離を縮めることが、市政への参加だけでなく、次の政治の担い手が一歩踏み出すための入口にもなる。そんな新しい接点を生み出せたことが、この取り組みの一番のイチオシポイントです。

どんな課題にアプローチしましたか?

私が感じていたのは、市民と議員の間にある「お互いが見えにくい」という、表裏一体の課題です。 私自身、市議会議員になるまで、「市議会議員は、議会以外ではどんな活動をしているのだろう?」と思っていました。お祭りや学校のイベントで見かけることがあっても、議員が日々どんな人と会い、何を学び、どんな調査をし、どんな課題を市政につなげているのかは、市民からはなかなか見えません。 その裏返しとして、市民にとっても、自分の声をどうすれば市政に届けられるのかがわかりにくいという課題があります。パブリックコメントや「市民の声」など、行政へ直接意見を届ける仕組みはありますが、それだけが市政に声を届ける方法ではありません。 暮らしの中で「制度はあるけれど使いにくい」「こんなことで困っている」「これっておかしくない?」と感じたとき、議員にその声を届け、議員が実態や制度を調査し、必要に応じて議会質問や行政への働きかけにつなげていく。そうしたルートがあることを知らない市民もいます。 「議員が何をしているのか市民から見えにくい」ことと、「市民がどうすれば自分の声を市政に届けられるのかわかりにくい」ことは、実は同じ課題の表と裏です。 そこで私は、議会で起きていることや議員の日々の活動を市民へ伝える一方、市民の声を受け取り、調査し、再び議会や行政へ届ける「仲介役」になりたいと考えました。「議会→市民、市民→議会」という双方向の回路をつくり、議会や市政をもっと身近なものにすることにアプローチしています。

どのような新たな価値を創造しましたか?

私が創造した新たな価値は、「市政」「議会」「市議会議員」を、市民にとって身近な存在にすることです。 市政や議会は、市民の暮らしに直結しているものです。しかし、「議会で何が話し合われているのかわからない」「市議会議員が普段何をしているのかわからない」「自分の声をどうすれば市政に届けられるのかわからない」という距離があります。 そこで、SNSでの日々の情報発信、街中のカフェで開く市政報告会、毎回の議会質問や視察について、その背景や調査したことまで詳しく伝えるnote、さらに一週間の議員活動を短い動画にまとめたSNSでの発信など、さまざまな方法で議員活動のプロセスを「見える化」しています。 こうした取り組みを通じて生まれているのが、市民と議会の双方向の循環です。 実際に、市政報告会で「子育て支援制度を利用したかったが、中山間地域に住んでいるため利用が難しく、申請を断念した」という声を受け取りました。その声をきっかけに制度の実態を調査し、議会質問として取り上げ、市から制度の見直しにつながる答弁を得ました。そして、その質問や答弁についてもnoteを通じて再び市民に伝えています。 また、市政報告会に参加した大学生や20代の女性から、「議員になりたいと思っています!」と声をかけてもらったこともありました。 市政や議会を「自分とは遠いもの」から、「自分の暮らしとつながっているもの」へ。市議会議員を「何をしているかわからない人」から、「自分の声を届け、一緒に地域の課題を考えられる存在」へ。 市民が「自分の声を届けられる」「その声が市政につながる」「自分自身も参加できる」と感じられるようにすること。そして、そこからまた新しい声や参加が生まれていくことが、この取り組みによって創造している新たな価値です。

どんな工夫をしましたか?

「市政や議会を身近にする」ために、一つの方法だけに頼らず、それぞれの人がアクセスしやすいよう、対面の場・文章・動画での発信など複数のツールを組み合わせています。 議会終了後には、議会とは少し距離のある人でも参加しやすいよう、街中のカフェで市政報告会を開催しています。議員から一方的に報告する場ではなく、参加者と話しながら、日々の暮らしの中で感じている困りごとや疑問、制度への違和感などを聞く「対話の場」にしています。 noteでは、議会質問と行政の答弁を紹介するだけでなく、「なぜこのテーマを取り上げたのか」「どんな課題意識があったのか」「質問するまでに何を調べ、誰から話を聞いたのか」など、議会質問ができるまでのプロセスも含めて発信しています。 また、SNSでは日々の活動を発信するほか、一週間の議員活動を短い動画にまとめて発信する取り組みも始めました。議会だけでなく、視察や研修、地域での活動なども含め、「市議会議員が普段何をしているのか」を短時間でも知ってもらえるよう工夫しています。 そして、どのツールも「発信して終わり」にしないことを大切にしています。たとえば、市政報告会で受け取った市民の声を調査し、必要に応じて議会質問や行政への働きかけにつなげ、その結果をnoteやSNS、市政報告会などで再び市民へ返す。それぞれの取り組みをつなげながら、市民と議会の間で声や情報が行き交うよう工夫しています。

上部へスクロール