「民主主義と向き合う」特集及び関連活動(議会制民主主義研究会)
「民主主義を研究する人」と「民主主義を実践する人」等をつなぐ良質なコミュニティを形成している。 議会制民主主義研究会は、年報『議会制民主主義研究第3号』で特集「民主主義と向き合う」を掲げ出版、それに基づき一般の方も参加できるオンライン勉強会等の開催、その他情報発信等も実施。 研究者に限らず様々な者が立場を超えて集まり、民主主義の課題を広くそして深く議論し、この「民主主義と向き合う」の議論の成果は、学会研究大会での報告や意見交換に発展し、また関係シンポジウム等との連携、主権者教育の支援等にも還元できている点は極めて独創的である。
どんな課題にアプローチしましたか?
・ 国会の制度と運用の分析(研究フィールドの再構築) ・ SNS時代の民意形成 ・ ポピュリズムの拡大 ・ 政治主導の分析 ・ 主権者教育の在り方 ・ 自治の課題 といった現代民主主義の課題にアプローチした。
どのような新たな価値を創造しましたか?
学術研究、議会実務、市民活動、主権者教育等を結び付ける「民主主義の共創空間」を創造した。 研究成果が論文として終わるのではなく、オンライン勉強会で議論を更に深め、学会報告への展開、国会見学会などの体験型イベントの開催や関係団体の活動への協力、各種情報発信等により、その「共創空間」を拡充している。 ① 創造性(これまでにない新しい手法・発想を示しているか) 議会制民主主義研究会の特徴は、研究者だけでなく、国会事務局・法制局・調査室経験者、地方議会関係者、市民活動家、若者団体関係者など、実践者を含む多様な者が同じ場で議論し、研究成果を社会へ還元する点にある。特に「民主主義と向き合う」テーマの議論では、様々な論点を横断的に扱い、出版、公開勉強会、学会報告と意見交換、関係団体のシンポジウムとの連携、主権者教育への支援等を一体的に展開している。 学術研究・実務経験・市民活動・主権者教育等を結び付けた民主主義コミュニティの形成は、既存の学会活動や市民運動には見られない独自性を有している。 ② 課題設定(的確かつ具体的に課題を捉えているか) 令和7年参議院選挙や令和8年総選挙を背景として、SNS時代における民意形成、ポピュリズムの拡大、政治不信、主権者教育の在り方など、現代民主主義が直面する課題を正面から取り上げている。単なる制度論ではなく、「民主主義はどのように支えられるべきか」という具体的かつ現実的な問題意識に基づいている。 ③ 重要性(地域・社会にとって重要な課題を扱っているか) 民主主義の機能不全や政治参加の低下は、日本社会全体に関わる根本課題である。選挙、議会、主権者教育、自治体運営などを対象とした本研究会の活動は、民主主義社会の基盤を支える極めて重要なテーマを扱っている。 また、少子高齢化や「消滅自治体」問題など地域課題とも接続しており、民主主義を通じて地域の将来を考える場も提供している。 ④ 必要性(取り組みの必要性が明確か) 既存の議会研究誌が減少する中、オンデマンド印刷の普及等で「自分たちで作ろう」という問題意識から研究会が発足した経緯そのものが、本活動の必要性を示している。議会制民主主義を専門的かつ開かれた形で議論する場が不足している現状に対し、その空白を埋める役割を果たしている。 ⑤ 影響力(他の主体・地域に影響を与える可能性があるか) 研究会会員や執筆者は、学会、教育現場、地域の現場、メディアなど多方面で活動している。日本政治学会や日本政治法律学会での報告・意見交換への展開、全国地方議会サミットへの協力、現代総有研究所「消滅自治体」イベントへの参加、日本若者協議会や選挙フェスタ等との連携、「こども選挙」等主権者教育への支援、などを通じ、研究成果が社会へ還元されている。 ⑥ 量的変化(参加を増やしたか) 令和7年の「シン・民主主義」特集を契機に、公開オンライン勉強会を6回開催し、多くの研究者や実務家との新たなつながりを形成した。令和8年にはそのネットワークがさらに広がり、学会、市民活動団体、自治体議会関係者、若者団体、主権者教育団体、など参加層が拡大している。 ⑦ 質的変化(参加の質を高めたか) 参加者の多様性が大きく向上している。研究者中心ではなく、様々な関係者が対等に議論する環境が形成されている。また、学術的議論を、学会報告、地域の市民参加型活動、こども選挙等主権者教育等へ接続することで、民主主義を「学ぶ」だけでなく「実践する」機会が創出されている。 ⑧ プロセス(良質なプロセスがあるか) 研究会では、多様な立場の参加者による継続的な対話と熟議が行われている。異なる経験や価値観を持つ参加者が、民主主義の課題について議論するプロセス自体が、本活動の大きな価値である。 ⑨ 継続性(単発で終わらず、継続・定着の設計があるか) 研究会は令和6年の創設以降、年報を毎年発行し、継続的な勉強会やイベントを実施している。令和7年の活動を令和8年には動画公開し、知見の蓄積と継承も図っている。出版・学習・交流・実践の循環が形成されており、継続性は高い。 ⑩ 拡散性(他の地域や他の組織でも応用可能か) 本活動は特定地域に限定されず、年報発行、オンライン勉強会、主権者教育イベント、議会関係者との交流など、全国どこでも再現可能な仕組みで構成されている。実際に東京都江東区、文京区、小金井市、小平市、神奈川県茅ケ崎市、寒川町、真鶴町、秋田県五城目町、京都府京都市などの地域での活動主体との連携が生まれており、他にも応用可能である。
どんな工夫をしましたか?
1. 年報を核とした知識共有 2. 執筆者による公開オンライン勉強会の実施 3. 過去勉強会動画の無料公開 4. 学会・市民団体・自治体との連携 5. 子ども向け主権者教育への展開 6. 国会見学や「鎌倉で議会開設を論じる」など体験型企画の実施 7. SNSを活用した継続的な情報発信 など、多様な参加入口を設ける工夫を行った。 ○「民主主義と向き合う」議会制民主主義研究会の活動の主なもの(令和8年度) ・第3号執筆者の高橋一之氏が寒川町議会アドバイザーに。第3号を寒川町議会議長に贈呈(4月21日) ・第3号発刊記念懇談会を日本若者協議会が運営する民主主義博物館で実施(令和8年5月12日) ・日本政治法律学会で、会員が発表。参加した会員間で意見交換(5月30日) ・朝日新聞夕刊「アナザーノート」に議会制民主主義研究会の学生会員の紹介記事(6月1日) ・日本経済新聞に高宮秀典会員(拓殖大)ポピュリズムと「半議院内閣制」について聞く(6月6日) ・日本公共政策学会で南島和久会員報告。 ・参議院憲法審査会に只野雅人特別会員が参考人として出席。 ・「ちがさきこども選挙2026」で宮﨑一徳研究会事務局長が民主主義を語る(6月22日、7月12日)「こがねい こども選挙」でもワークショップに登壇(9月27日) ・西日本新聞に藤井亮二会員が物価対策としての下水道使用料無償化につきコメント(6月22日) (以下、藤井会員、高宮会員、鳫咲子特別会員の紙面登場等いくつもあるが省略。これらを研究会のSNSで情報発信) ・「民主主義と向き合う」第1回オンライン勉強会(大蔵誠、藤井亮二)(6月30日) ・令和7年の議会制民主主義研究会オンライン勉強会動画を無料公開。 ・「民主主義と向き合う』第2回オンライン勉強会(室橋祐貴、小玉重夫)(7月24日) ・第3号に登場する五十嵐敬喜法政大学名誉教授、原亮氏らが登壇する「現代総有イベント「消滅自治体」をどうするかシンポジウムに、大蔵代表、宮崎一徳事務局長が参加。(7月25日) ・茅ヶ崎市選挙管理委員会、茅ヶ崎市明るい選挙推進協議会主催「選挙フェスタ」を高橋一之氏がプロデュ―ス、宮崎事務局長参加(8月4日) ・「国会へ行こう!」国会参観イベント(8月20日) ・「民主主義と向き合う」第3回オンライン勉強会(高宮秀典、只野雅人)(8月28日) ・「民主主義と向き合う」「鎌倉で日本の議会開設を語る」特別イベント(9月25日) ・日本政治学会の「2025参議院パネル」に、高宮会員、宮崎事務局長が登壇(10月3日) ・「民主主義と向き合う」第4回オンライン勉強会(高橋一之、折田朋美)(10月22日) ・日本政治法律学会の「参議院80年パネル」に田上会員、高宮会員、宮崎事務局長が登壇(11月14日)