お役所の常識を変える ―介護認定デジタル化で”待つ不安”を減らした町田市の挑戦―
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#介護 #業務効率化 #自治体DX #AI活用

お役所の常識を変える ―介護認定デジタル化で”待つ不安”を減らした町田市の挑戦―

町田市と町田市介護認定審査会委員
町田市| 2026年9月15日
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イチオシポイント

―100すべてを一度に求めるのではなく、5や10をコツコツと。それがいつの間にか、大きな成果となりました。― イチオシポイントは2つあります。 1つ目は、介護認定調査の書類点検にAIを導入し、所要時間を劇的に短縮し効率化したことです。これによる効果は単なる時間短縮にとどまりません。担当職員が「チェック作業」から解放されたことで、申請者への丁寧な対応や審査会委員との対話・調整といった、より本質的な業務に注力できるようになったのです。 2つ目は、デジタルに不慣れな委員や高齢な委員がいる中、わずか3か月で完全デジタル化を実現したことです。 高齢な方ほど抱きやすい「デジタルは自分には難しいのではないか」という不安は、行政のデジタル化を阻む壁となります。しかし町田市は、誰一人取り残さない個別サポートを徹底したことで、この壁を乗り越えました。年齢や経験に関係なく、丁寧に寄り添えば誰もがデジタルを活用できる。この事実は、介護認定に限らず、あらゆる行政分野のデジタル化に希望を示すものです。 小さな改善をコツコツと積み重ねていけば、気づいたときには大きな成果に繋がります。町田市の介護認定デジタル化の挑戦は、まさにそのことを体現しています。

どんな課題にアプローチしましたか?

―「お役所の手続きは時間がかかるもの」という、多くの市民が抱いている認識を、介護保険の現場から変えようと動き出しました。― 要介護認定の申請から結果通知までの期間は、国が定める標準処理期間である30日を、全国の自治体が大幅に超過しており、町田市も例外ではありません。この「待ち時間」は、単なる事務処理の遅れにとどまりません。認定結果が届くまでの間、サービス利用を控える高齢者やその家族にとって、それは大きな精神的・経済的負担となっています。「いつ結果が届くのか分からない」という不安は、介護を必要とする当事者の生活そのものに影を落とします。 期間超過の理由は、申請者の都合や医療機関の対応遅れなど多岐にわたり、町田市の業務改善だけですべてが解決するものではありません。しかし、「自分たちにできることから始めよう」と考えました。要介護認定に至るプロセスのうち、町田市が直接効率化に取り組むことができる「介護認定調査」と「介護認定審査会」のデジタル化を推進し、「一日も早く市民に認定結果をお届けしよう!」と挑戦を始めたのです。

どのような新たな価値を創造しましたか?

―デジタル技術は進化し続けています。既存のツールやアプリを効果的に活用すれば、「認定結果が届くまでの期間を短縮できる」それも、職員への大きな負担や費用をかけずに。― 取り組みの結果、平均認定期間は2025年3月末時点の39.4日から、2026年3月末時点で34.9日へと4.5日短縮することができました。 数字だけを見れば「わずか4.5日」と思われるかもしれません。しかし、認定結果が届くまでの間、高齢者やその家族は先の見えない不安を抱えて過ごしています。その方々にとって、4.5日の短縮は決して小さなものではありません。介護サービスの利用開始が早まることで、身体機能を維持しやすくなり、家族の介護負担も軽減されます。 さらに重要なのは、市役所の業務が変われるということを、行政自らが実際に示した点です。大規模なシステム開発に頼らず、多額の予算を投じなくても、既存のデジタルツールを効果的に組み合わせることで、行政サービスの質を向上させることができます。この実証こそが、他の自治体や行政分野にも波及しうる最大の価値創造であると考えています。

どんな工夫をしましたか?

―あえて、すでに普及しているものを組み合わせました。ただし、導入は速やかかつ丁寧に。― 具体的な工夫は、大きく3つの柱で構成されています。 ① 介護認定調査のAI化 介護認定調査にAI機能付きモバイル端末を導入しました。調査員が現場で入力した内容をAIが即時にチェックすることで、調査書類の作成・点検時間を大幅に軽減。従来、担当者が月70時間を費やしていた目視点検が実質0時間にまで削減しました。 ② 介護認定審査会の完全デジタル化 介護認定審査会は、医師等の介護認定審査委員5人で構成する25の合議体が運営されており、年間の開催数は約600回にもおよびます。審査会委員133名にタブレット端末を貸与し、対面・紙資料による審査から、リモート・電子資料による審査へと全面的に切り替えました。年間23万枚に及ぶ資料の郵送工程を撤廃し、業務プロセスを根本から再構築。委員の移動負担を年間5,180時間分軽減したほか、市担当者の会場設営時間も毎回30分短縮しました。空いた専用会議室は、フリースペースとして他の用途に活用できるようになりました。 ③ 誰一人取り残さない個別サポート 最大の壁は「技術」ではなく「人」でした。133名の委員の中にはデジタルへの不安を抱える方や高齢な方も含まれていました。そこで、直感的な操作ガイドの作成や操作説明会の実施に加え、専用コールセンターの設置、さらには自宅や事務所への訪問によるマンツーマンレクチャーなど、一人ひとりの状況に合わせた個別サポートを徹底しました。「全員が使いこなせること」を絶対条件とした結果、わずか3か月で全委員がデジタル化に対応することができました。

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