保育園と弁護士の連携による「チーム保育園」の構築へ
自薦自治体内弁護士が所属していた自治体の公立保育園のみならず、公立・私立を問わず全国の保育園、さらには幼稚園やこども園等にも、ナーサリースクールロイヤーやチーム保育園の取組みが広がることが理想である。そのために、Q&A集を一般化した書籍の発行、他の自治体や社会福祉協議会、幼稚園連盟、全国保育士養成セミナー、大学等で研修・講演をするとともに、ウェブ連載やウェブニュースでのインタビュー記事によって情報発信に取り組んでいる。
どんな課題にアプローチしましたか?
保育士は保育の専門家であっても、法律や医療、保育以外の福祉分野等の専門家ではなく、多職種連携の必要性が高い。しかし、保育園では、多職種によるチーム学校やスクールロイヤー等が整備されつつある学校とは異なり、弁護士をはじめとした多職種連携の体制が脆弱となっている。その結果、保育士が保育以外の問題を抱え込み、多忙化・疲弊するとともに、園児や保護者にとっても問題が解決されず、負の循環に陥っているという課題がある。
どのような新たな価値を創造しましたか?
自治体内弁護士が所属していた自治体の公立保育園に対し、法律相談やQ&A集の作成・配付、研修や庁内報の発行等をすることにより、顧問弁護士以上に身近な存在として、保育士への日常的な法的なサポートを提供した。このような取組みはスクールロイヤーならぬ「ナーサリースクールロイヤー(保育園弁護士)」ともいえ、多職種によるチーム学校ならぬ「チーム保育園」の構築のきっかけとなるものである。
どんな工夫をしましたか?
自治体内弁護士が相談待ちの姿勢でいては、保育士からの相談はなかなか来ない。そこで、自治体内弁護士が全公立保育園を訪問し、園長や主任保育士に直接会って相談を受ける、アンケートを実施して自治体内弁護士に聞きたいことを集約し、Q&A集を作成・配付して「全保育士が現場で使えるツール」を提供する等、自治体内弁護士からのアウトリーチ的なアプローチを行った。