早稲田大学デモクラシー創造研究所は、地方議会の現状を把握するための調査「地域経営のための議会改革度調査2025」を実施し1372の議会から回答を得ました(回答率76.7%)。
当研究所が重要と考える基準に基づいて取り組みを点数化したものをランキングにし、上位300議会を発表したので、ご案内します。
詳細はこちら: https://waseda-idi.jp/public_admin/gikai_chousa
【総合コメント(講評)】 中村 健(早稲田大学デモクラシー創造研究所 地域経営部会長)
2010年度に開始した『議会改革度調査』は、本年で16年目を数え、昨年からはタイトルに『地域経営のための』を加えた。その理由は、地方議会で初めて『議会基本条例』が制定されて本年で20年を迎え、全国の約7割の議会で同条例が制定されてきたが、地域の課題解決や住民からの議会への期待度は高まったのかという問題意識を持ったからである。
地域課題の複雑化や変化スピードの急速な進展を捕まえるには、議会内部の環境整備や形式要件を整えるだけではもはや足りず、議会と住民とが接合し、一緒になって具体的な成果を生み出し、地域に変化を生じさせる取り組みが一層重要になっている。本調査も、議会内部の活動に留まらず、いわゆる地域を経営する活動に議会活動がどの程度コミットしているかを中心に、問いと配点を設計した。
今回、上位に並んだ議会の多くが、行き当たりばったりではなく戦略的に改革を進め、住民との接点を積極的に創り出している。今回の調査で特に特徴的だったことは、生成AIの活用が一気に広がっていることだ。生成AIを何らかの用途で使用した議会は昨年から倍増した。生成AIを単なるITツールとして使用するのでなく、議会活動の質的充実を実現するパートナー(第三の議会事務局あるいは議員秘書的な役割のようなイメージ)として認識していることもうかがえる取り組みが増えた。これからは、生成AIの力を議会の政策提案能力を向上させたり、より住民が参加しやすい議会運営のために活用したりする工夫も必要である。生成AIは議会のあり方も変える。議論する、決める、という議会の重要な機能に生成AIが補完することができる。本調査結果を活用しながら、地方議会が進化(深化)する一助となるため、私たちも研究のアップデートを進めていきたい。
以上