
静岡市と早稲田大学は、市民意識調査に「Value Elicitation法(VE法)」を導入する共同研究を実施します。3月26日に共同研究に関する協定の締結式および記者会意見を行いました。
「Value Elicitation法(VE法)」は、参議院選挙や衆議院選挙におけるボートマッチでも採用された技術(参照:ボートマッチ)で、潜在的に「何を良いと考えているのか」その価値観や優先順位の解像度を高めることができます。今回、静岡市と早稲田大学は、VE法を静岡市の市民意識調査に活用するため、2026年3月26日に協定締結式および記者会見を開催しました。共同研究では、早稲田大学デモクラシー創造研究所所長・日野愛郎教授が研究責任者を務めます。
現在、多くの自治体で市民アンケートが実施されていますが、集めた回答を十分に分析し、具体的な政策形成や市政運営に有効に生かし切れていないケースも少なくありません。従来の調査では、市民の回答の背景にある価値観や、どのような要素を重視して意思決定しているのかを把握することが難しいという課題がありました。
今回の共同研究では、VE法を用いた調査により、複雑な要因が絡み合う意思決定の中で市民がどの要素を重視して判断しているのかを定量的に把握し市政運営に活かすことを目指します。個別の設問に答える従来型アンケートに比べて、各要素が意思決定に与える影響をより精緻に捉えられる点に特徴があります。これまでの市民アンケートは、ともすれば「これをやればよいのではないか」という想像や感覚に基づいて設計・活用されがちでした。しかし実際には、市民の意思決定には多様で複雑な要素が絡み合っています。そうした単純ではない人々の選好を可視化し、その結果を市政運営に反映していくことが、今回の共同研究の大きな意義です。
経験や勘に頼った行政運営からエビデンスに基づく行政運営へ、今回の取り組みが市民の声をより的確に捉えた政策形成へとつながり、EBPM推進の新たな一歩となることが期待されます。