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デモクラシー創造研究所の研究員が携わるボートマッチについて
デモクラシー創造研究所の研究員は以下の3つのボートマッチに携わっています。
1.日本経済新聞 VOTE MATCHβ版
早稲田大学デモクラシー創造研究所 所長の日野 愛郎教授(取締役CKO)、研究員の山本鉄平教授(取締役CSO)などが設立したVETA株式会社が協力・監修。
2.読売新聞ボートマッチ
早稲田大学デモクラシー創造研究所 所長の日野 愛郎教授が監修。
3.Yahoo! JAPAN 政党との相性診断
早稲田大学デモクラシー創造研究所が監修。(一社)Manikenが協力。
3つのボートマッチはそれぞれ異なるアルゴリズムに基づいており、下記に詳細を述べる通り独自の設計思想のもとで構築されています。ボートマッチは有権者に投票すべき候補者、政党を示すサービスではなく、あくまでも投票先を検討する際に参照できる各党の政策との相性を診断するサービスです。投票先に明確な正解があるわけではないのと同様に、ボートマッチの設計にも正解はありません。デモクラシー創造研究所は、多様なボートマッチが存在することが、健全なボートマッチの発展には必要であると考えております。
1.日本経済新聞 VOTE MATCHβ版
従来のボートマッチが採用していた一問一答形式ではなく、コンジョイント形式と呼ばれるランダムに生成された政策パッケージを繰り返し選択することにより、それぞれの有権者が持っている政策への重視度を数値化します。測定された政策への重視度を加味して、各党の主張への一致度を計算します。研究所の山本鉄平研究員は、従来のマーケティング分野などで用いられていたコンジョイント分析を因果推論の文脈で厳密な効果検証が可能な手法に発展させ、最先端の手法として社会科学で広く用いられています(下記論文参照)。研究所の日野愛郎所長と山本鉄平研究員は、コンジョイント形式の回答から重視度や一致度を算出しユーザーへのフィードバックを可能にするVE(Value Elicitation)法を開発しました(特許申請中)。日本経済新聞 VOTE MATCHβ版はこのVE法を採用しています。コンジョイント分析の長所については、こちらのページに詳細な解説があります。
Hainmueller, Jens, Daniel J. Hopkins, and Teppei Yamamoto. “Causal inference in conjoint analysis: Understanding multidimensional choices via stated preference experiments.” Political Analysis 22.1 (2014): 1-30.
2.読売新聞ボートマッチ
各党と各候補者から事前に得た回答をもとに、それぞれの政策との距離(近接性)と賛否の向き(方向性)の二つの要素を加味して一致度を計算しています。任意の回答である重要と考える争点をもとに、ユーザーごとにカスタマイズした一致度を提示しています。
各設問に対する得点は以下の式(1)で求まります。
[{1-|(有権者-3)-(政党-3) |/2} + {(有権者-3)*(政党-3)/4}]/2 (1)上記の一致度は、投票行動研究で示されてきた有権者が重視する、下記の論文を参照し近接性と方向性の双方を考慮したハイブリッドモデルに基づいて算出されています(図1参照)。横軸には有権者の選好位置が賛成から反対まで5段階の位置で示されており、縦軸には政党の政策位置が同じく賛成から反対まで5段階の位置で示されています。評価が一致する左上から右下までの対角線が高い配点になりますが、より方向性を持った賛成(5)や反対(1)で一致した場合により高い配点、どちらともいえない(3)により低い配点が与えられています【方向性モデルの反映】。またより有権者と政党がより近い位置にある時により高い配点、遠い位置にある時にマイナスの配点が付されています【近接性モデルの反映】。
図1:近接性と方向性の双方を考慮したハイブリッドモデルの配点表
Mendez, Fernando. “Matching voters with political parties and candidates: An empirical test of four algorithms.” International Journal of Electronic Governance, Vol. 5, Nos.3-4 (2012): 264-278.
上記の式(1)や上記の配点表をもとに20問の設問ごとに得点を算出し、その総和を合計得点とすると、最低点が-20点から最高点が20点に収まります。この合計得点をもとにした100点満点の一致度は以下の式(2)で求まります。
(合計得点+20点)*2.5 (2)
5択が馴染まない設問に関しては、文脈に応じて4択や3択を採用しています。4択の場合はどちらともえない(3)がない配点、3択の場合はどちらかといえば賛成(4)とどちらかといえば反対(2)がない配点となります。選択肢が少ない分、近接性モデルの粒度は粗くなりますが、方向性モデルの対称性は維持されています。
重要だと思う政策を任意で3つ選ぶことができる仕様になっていますが、その際の重み付けは以下の式により算出されています。重要だと思う政策を2倍の配点にしています。
重要だと思う政策が1項目の場合
X*1+Y*19=20 (※重要だと思う政策をX、それ以外の政策をYとする、以下同様)
X=2Y
2Y+19Y=20
21Y=20
Y=20/21
Y=0.95238095238095238095238095238095
X=1.9047619047619047619047619047619
重要だと思う政策が2項目の場合
X*2+Y*18=20
X=2Y
4Y+18Y=20
22Y=20
Y=20/22
Y=0.90909090909090909090909090909091
X=1.8181818181818181818181818181818
重要だと思う政策が3項目の場合
X*3+Y*17=20
X=3Y
6Y+17Y=20
23Y=20
Y=20/23
Y=0.86956521739130434782608695652174
X=1.7391304347826086956521739130435
3.Yahoo! JAPAN 政党との相性診断
早稲田大学デモクラシー創造研究所が監修し、一般社団法人Manikenが協力しています。 監修している範囲は、設問設定、賛成派・反対派の意見設定に限られます。アルゴリズム等の設計に関してはYahoo! JAPANが監修しており、非公開となっています。
【注記】研究所の研究員は複数のボートマッチに携わっておりますが、得られたデータは共有しておらず、設問の設定等の準備は独自に行われ、秘密保持は守られています。
2025年参議院選挙における取り組み
早稲田大学デモクラシー創造研究所 所長の日野 愛郎教授(取締役CKO)、研究員の山本鉄平教授(取締役CSO)などが設立したVETA株式会社が協力・監修。「コンジョイント分析」手法を用いた新たな診断システムとして注目を集めています。